ミラノサローネ報告会に行ってきました
樹のコトブログです。
2022年10月26日・27日にアイカ工業名古屋ショールームにて開催された、「ミラノサローネ報告会・新柄展示会」に行ってきました。
資料とスライドショーを使用した約40分間の報告会でした。
今回はその報告会での資料をもとに内容をお伝えいたします!
ミラノサローネとは
毎年イタリアのミラノ市で開催される国際家具見本市。
ミラノ大都市圏のロー市にある見本市会場フィエラ・ミラノを会場として、イタリア家具工業連盟イベント会社"Federlegno Arredo Eventi spa"が100%所有する
COSMIT"イタリア家具見本市組織委員会"の主催により開催されている。
世界各国の最新の家具、インダストリアルデザイン、インテリアデザイン、テキスタイルデザインなどの展示が行われる。
家具・デザイン関係の見本市としては世界最大のもので、なおかつ世界のデザインの最新トレンドが展示されるイベントでもある。
(ウィキペディアより引用)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%8E%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8D
レポート概要
第60回ミラノサローネ
ミラノサローネは毎年4月に開催していますが、パンデミックの影響により2020年は開催中止、2021年は「スーパーサローネ」というタイトルで規模を縮小し9月に開催されました。
今年は6月開催にはなりましたが、規模は例年通り開催され、多くのメーカーやデザイナーから新たなトレンドや製品が発信されました。
来場者は6日間で26万人を超え、ソーシャルサイトでは1350万のリーチを記録しています。
ミラノサローネ公式サイトhttps://www.milanosalone.com/
テーマ
今年のテーマは、これまで以上に「サステナビリティ(持続可能性)」を意識し、環境意識を家具製造に融合させた国際的大規模イベントにすることが目的とされています。
トレンドカラー
昨年まではアクセントとして用いられていたグリーンの流行が本格化。
特に今年はパステルカラーよりも少し濃いヴィンテージグリーンに注目が集まりました。
原色から濃淡色と幅広く、素材も生地・塗装・タイル・石など様々に展開されています。
定番カラーのホワイト、中でもテクスチャーをつけたオフホワイトが増加。
オフホワイトとニュアンスカラー(複数の色味が混ざったような曖昧な中間色)のデリケートな組み合わせがトレンドとなっています。
アイカの柄開発でも単色調表現には注目しており、あらゆる材料で展開されています。
グレーでもライトからダークへのグラデーションで構成するカラーコーディネートは、上品さや高級感を演出します。
アイカのメラミンタイルは定番のモルタル柄などグレー系の柄を豊富にラインアップしています。
メラミン化粧板と同柄で使用可能な柄もあり、異なる素材の組合せで統一感のある空間が作れます。
素材&仕上げ
メタル
今まで流行していたゴールド系から変わり、今年はシルバー系が主流になっています。
柔らかいアルミや重厚感の感じる鉄・ステンレスなどが使われており、ヘアラインやポリッシュ加工なども多数見られていました。
大理石
今年は透光性が高く、ミルクのような柔らかな印象を演出。
アイカ製品でもメラミン化粧板やセラールセレントなどに用いられています。
ファブリック
2020年頃からファブリックを面材やテーブルトップなど本来硬い素材を用いると思われる
箇所へあえて使用することでソフトな印象を与え、感覚をずらし、刺激する表現が増えています。
ストーン
大胆なレイアウトの天然石や、石目を模したプリントスタイルなど目を引くデザインが発表された。
アイカ製品では+WONDERシリーズで大理石柄を多数ラインアップされています。
ストライプ
幾何の中ではストライプがトレンド化。
アイカ製品ではストライプに気を組んだデザインのメラミン化粧板やリプ状の化粧材、アイカアールなどがラインアップしています。
グリッド
様々な用途で増加。
素材を加工しパターンを構成する手法や、タイルや木材などは複数の素材を並べたパッチワーク表現も見られます。
ヘリンボーン
年々増加傾向が見られるヘリンボーン。
木、タイル、石素材のアクセントとして今後も拡大すると予想されています。
木目
今年はブラックカラーが目を引いています。ウッドショックによる材質の価格上昇、安定供給の難しさから黒塗装で均一な意匠を実現しているのではと予測されています。
デザインでは切削加工やパッチワークを施し、付加価値を向上した仕上げが注目されています。
植物・花柄
植物・花柄の仕上げや生地素材は大きなトレンドになりつつあります。
今年の展示会では「moooi」のオルテンシアシリーズは最も注目を集めたデザインのひとつでした。
日本風
ゴザや白木畳など日本文化に影響を受けたデザインも各所に見られました。
昨今の情勢で旅行に行けないことによる日本への憧憬も込められているのかもしれません。
80年代風
1980年代のメンフィス運動を彷彿とさせる、ポップかつ現代的なデザインが様々なプロダクトやインテリアから感じられます。
ガラス
ストライプや波型仕上げ、着色ガラスなど、加工したものが目立っています。
特にストライプはパターンとしても人気です。
家具
Molteni&C
柔らかく丸みのあるフォルムの家具が印象的。
グレーやベージュなどのニュートラルなカラーをベースにキャメルやモスグリーンなどの落ち着いたアクセント色を加えて調和のとれた色使いの空間を提案されていました。
B&B ITALIA
名作家具が素材を変え、再構築され生まれ変わっていました。
グリーンの大理石や植物柄のパターンなどレトロなモチーフのデザインが見られました。
Cassina
色褪せたデニム生地にビビットな赤を合わせるなど、大胆なアクセントカラーを多用。
色や素材の意外な組み合わせのデザインが見られました。
moooi
自然モチーフがちりばめられていました。
幾何などのパターンを型押ししたようなホワイトなどの単色調のデザインが多数使用されています。
キッチン&水廻り
Boffi
ミニマルモダンが人気のブランドです。
無機質なシルバー色のメタルに赤が効いた木目を合わせ重厚感あるキッチンを展示。
アイカ製品ではメタル素材のリアルを表現したセラールセレントがラインアップしています。
Cesar
日本にはまだ未上陸のミドルハイクラスブランドです。
インテリアではトレンドの曲線形状のデザインがキッチンにも拡大されているそうです。
minotticucine
最高級システムキッチンメーカーのひとつです。
無駄を省いたシンプルな形状はダイナミックな素材を際立たせています。
アートオブジェクトのような大胆な柄が用いられていました。
次のブログではアイカ工業さんの新柄展示会の様子をお伝えいたします。
お楽しみに!
文章引用:AICA Milano Salone Report 2022、報告会資料
画像引用:アイカ工業株式会社https://www.aica.co.jp/
ミラノサローネ公式サイトhttps://www.milanosalone.com/